企業情報 / 海洋資源再生化への取り組み

Initiatives for Marine Resources Recycling in SDGs
海洋資源の再生化への取り組み

当社技術を活用しアマモ場の再生・保全研究を小中高生と実施

当社では和歌山工業高等専門学校の楠部准教授と共に共同研究してきたアマモ場の再生・保全の研究を地元の小学5・6年生、中学生、高校生に体験して頂きました。


アマモ場の役割

現在日本の海岸線にあるアマモ場は水産生物の産卵ら稚仔魚の育成の場であるとともに、海中の有機物の無機化や海中への酸素の供給、水質浄化など、水産資源の維持・増殖に重要な役割を果たしております。


アマモ場再生の問題

しかし、近年海水温度上昇、海水の酸性化、埋立て、工業廃水など複数の要因が原因で生殖場所が減ってきており、海岸線のブルーカーボン生態系は熱帯雨林よりも早い消失速度で失われつつあります。 アマモ場の再生はこれまでアマモ種子を織り込んだ麻のマットや成分解性プラスチックに植え付けたものを沈めていましたが、いずれも海洋にゴミとして残る可能性が高く新しい技術開発が必要でした。


バイオセメントを活用したアマモ場の課題解決

楠部准教授によって開発されたバイオセメントは海の微生物の尿素の代謝を利用して海砂を固化する事が可能で、アマモ種子をバイオセメントと埋包し海底に沈設させ、アマモの成長に合わせて固化されたバイオセメントと海砂が崩壊し元の環境に戻ります。そのため外部環境から異物を持ち込まず、シンプルで環境負荷をかけない海洋環境保全が実現できます。


当社ではミキサで長年培ってきた造粒固化の技術を利用し、固化物の生成の時間短縮、作業軽減、大量生産を可能にしました。


学生たちの研究体験と持続可能な開発目標について

今回学生たちには楠部准教授による講座受講の後、実際に材料投入から造粒固化するまでの一連の作業及び、固化物の中に種子が入っている様子を確認して頂き、後日アマモ種子が入っている固化物を海洋の試験場に散布し体験を終了致しました。 今後、散布されたアマモ種子入り固化物が海洋で発芽するまでの経過を確認していきます。


本研究は国連SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)の目標12『持続可能な消費と生産』及び、目標14『海洋資源』に該当します。 当社は引き続き環境改善へ向けた研究テーマの継続支援を通じ社会貢献を行っていきます。


  • 再生したアマモを海に戻す学生たち
  • アマモ固化に活用した小型ミキサ

ひらめき&ときめきサイエンス

アマモ再生の実態